一問一答Faq

Q

低糖度ジャムの製造方法について教えてください。

A

一般的な低糖度ジャムの作り方をご紹介します。


1)使用する果実の糖度を測定し、最終製品の目標糖度に応じて加える砂糖の量を調整します。
例えば「糖度10°のいちご」10kgを使って「糖度40°のジャム」を10kg作る場合、「糖度10°のいちご」10kg中には1kgの糖が含まれます。「糖度40°のジャム」10kg中の糖の量は4kgです。そのため加える砂糖の量は3kgになります。
*果実の糖度とジャムの糖度を合わせるため予め砂糖漬けしておくことをお勧めします。(糖度差があると離水が生じたり、果実が浮いて見栄えの悪化につながります。)

2)安定生産するにはペクチンを完全に溶かす必要があります。そのために事前溶解の工程を踏みます。まずペクチンと5倍量の砂糖をよく混ぜ合わせます。ダマにならないよう水をかき混ぜながらペクチン砂糖ミックスを加え、加熱沸騰させて溶かします。(いきなり熱湯に加えるとダマになりやすいので、冷水や常温水に混ぜ合わせてから加熱溶解する方がおすすめです。)

3)果実に砂糖を複数回に分けて加えながら溶かします。煮詰めるとアクが浮いてくるので丁寧に取り除きます。アクはジャムの味を損なうだけでなく瓶の中で白く見えるので商品価値が低下につながります。

4)2)で作ったペクチン溶液を入れて目標の糖度になるようかき混ぜながら煮詰めます。

5)酸は、糖度調整や重量調整後、熱水に溶かしてから添加してよくかき混ぜ合わせます。カルシウムも同様です。

6)あらかじめ煮沸消毒した瓶に充填し、素早く蓋をしめます。その後80℃30分湯殺菌、冷却して完成です。 (冷却は一般的に冷水につけますが、熱い状態で冷水につけると瓶が割れます。一度ぬるま湯で冷やしてから冷水につけるのがおすすめです。)

*「果実の生産〜ジャム加工」をされている方であれば、収穫・洗浄・乾燥後10%〜20%の砂糖を加えて冷凍保管すれば周年ジャムの製造ができます。


ジャムがうまく固まらないという方はこちらをご確認ください。
製造バッチによってジャムが硬かったり弱かったりします。どうすれば安定しますか。