メチルセルロースを用いたエマルションの作り方

「エマルション」とは

「エマルション」は、通常混ざり合わない二つの液体(例:水と油)が微細な粒子として混合された状態を指し、この状態を「物質の乳化」とも呼びます。一般的に、乳化剤を使用することで、不均一な液体が一定の割合で混ざり合い、均一な液体となるように安定化されています。

食品の例としては、マヨネーズや牛乳、バターなどがあり、これらは油と水が乳化剤の助けを借りて混ざり合い、エマルション状態を保っています。食品以外にも、化粧品や塗料、写真フィルムなど、日常生活のさまざまな場面でエマルションは利用されています。

エマルションを形成するための材料

メチルセルロースまたはHPMC 6%
ベジタブルオイル(他の液油でも可) 20%
冷水(メチルセルロースは10℃以下、HPMCは25℃以下) 74%
※配合内容(%)は使用用途によって異なります。
具体的な添加量等はお問い合わせ下さい。
※メチルセルロースは植物パルプを原料として得られる多糖類です。
加熱するとゲル化するというユニークな特徴を持ちます。
レンジアップ商品や惣菜の品質改良などに利用されています。

メチルセルロースを用いたエマルションの作り方

油・冷水と一緒に高速ミキサーで攪拌することで、乳化気泡し、エマルションを形成することができます。

  • 1ベジタブルオイルを用意

  • 2メチルセルロースまたはHPMCを投入し、オイルと均一になじませる

  • 3冷水を加えて直ちに攪拌する(ハンドミキサー推奨)

  • 4完全に乳化したエマルション(白い固形分)となる

  • メチルセルロースH
    使用したエマルションは、加熱するとカット出来るほどの固さに!
    メチルセルロースH > メチルセルロースL HPMC の順に固くなります

メチルセルロースを用いたエマルションの使用例

◇畜肉魚肉練製品:結着性向上、歩留まり向上、食感改良、脂肪・すり身の代替
例:ハンバーグ
時間が経つにつれ、ドリップが発生してしまい、ジューシー感が損なわれますが、メチルセルロースの”加熱するとゲル化する”といった特性を活用し、エマルションとして加えることでより高い効果を発揮します。

◇ベジミート:結着性向上、卵白代替、食感改良
例:植物性のハンバーグ
通常、植物性原料だけでは結着性が弱く、焼いてもバラけてしまい商品化が困難ですが、同じくメチルセルロースの特性をエマルションで加えることによって、結着性の向上が期待できます。

◇焼き菓子:熱ゲルの骨格補強によるボリュームアップ、スポンジ生地の保形、保水性向上、油脂低減
例:スポンジケーキ
経時のパサつきや食感の硬さが抑制され、ふんわり食感や食材の風味を維持することができます。

◇パン:ボリュームアップ、グルテンフリーパンの骨格補強
例:パン
冷凍生地だけでなく、焼成後冷凍にも効果的で、ボリュームを損なわずに品質を維持することができます。